外貨MMFは、手軽に利用できて金利も高いけれども、どんなデメリットや特徴があるの?証券会社で外貨MMFを活用するメリットはあるの?
このような疑問のある方に向けて、今回は記事を書きました。
- 外貨MMFの特徴とデメリット
- 外貨MMFのメリット
- 外貨MMFの便利な活用法
結論から言うと、外貨MMFは為替リスクなどのデメリットはありますが、それ以上の利点があります。
自分は、10年以上外国資産の運用を行い、金利の高い外貨MMFも活用しているので、その経験を踏まえてこの記事を書いています。
外貨MMFの特徴とは?
外貨MMFは、マネー・マーケット・ファンドの略で、米ドルなどの外貨で運用する外貨建ての投資信託のことです。特徴を簡単にまとめると、以下にまとめました。
・為替損益があるので、元本保証はない
・外国株や海外REITと比べれば安全性は高い
・為替差益と金利を狙った取引が可能
・手数料無料
・1000円から取引ができ、積立にも対応
上記のとおり。
日銀のマイナス金利政策の影響により、銀行に預金をしてもほどんど利息がつかないですよね。その点、米ドルや豪ドルなどの外貨MMFを保有することにより、高い金利を享受できるのです。
外貨MMFの種類及び金利は?
外貨MMFにはどのような種類があるか、気になるところだと思います。
買うことができる通貨は、金融機関によって差がありますが、米国ドル、南アフリカランド、トルコリラなどがあります。
例として、以下がSBI証券で取り扱いのある商品と金利です(2021年7月現在)。
取扱量が最も多い米ドルで年率約0.07%となっています。
円預金に比べれば高いですが、2019年には2%近い利回りがあったことを考えるとかなり低い利回りです。
株価が大きく下落した2020年のコロナショックの際に米国の金利も実質的に”ゼロ金利”とななり、MMFの利回りも低下したんですね。
あと、新興国の南アフリカランドやトルコリラは、それぞれ約3%と15%超えと非常に高金利ですが、その分為替の値動きが激しいハイリスク・ハイリターン商品となります。
なお、信託報酬は運用会社により異なりますが、外貨MMFで表示されている利回りは、信託報酬を差し引いた後のものが表示されています。
外貨MMFのデメリットとは?
外貨MMFは、上記のように非常に魅力的な商品となっていますが、外国資産特有のデメリットがあります。
- 手数料はかからないがスプレッドがある
- 為替の影響を受ける
- 元本割れの可能性がある
上記のとおり。順番に見ていきます。
デメリット①:手数料はかからないがスプレッドがある
円 ⇒ 外貨、外貨 ⇒ 円にするときにコストがかかります。
すなわち、取引の際には、外貨買値と外貨売値の差であるスプレッドが存在しますので、この差に相当するコストを負担する必要があります。
この手数料は証券会社により異なりますので、できるだけスプレッド幅が狭いところを利用することがおススメです。
デメリット②:為替の影響を受ける
外貨建てなので、しょうがないですよね。
なので、円安になれば利益になりますが、円高が進めば解約して日本円で受け取るときに損がでることになります。
デメリット③:元本割れの可能性がある
格付けの高い短期国債や社債を中心に投資をしていますが、投資先が破綻する可能性はゼロではありません。
なので、確率的には非常に低いですが、元本割れの可能性があります。まあ、投資信託ですから、ある程度のリスクは覚悟することが必要です。
外貨MMFのメリットとは?
上記のとおり、外貨MMFのデメリットをまとめましたが、多くのメリットがあります。
- 円預金・外貨預金よりも金利が高い
- 積立で買い付けができる
- 証券会社が倒産しても保護される
- 株や投資信託と損益通算できる
上記のとおり。順番に見ていきます。
メリット①:円預金よりも金利が高い
外貨MMFの方が、信託報酬を考慮しても金利の面で、預金よりも有利です。
例えば、イオン銀行の場合、
- 円 預 金:0.001%
なので、米ドルで0.07%近い金利である外貨MMFの方が、高い利息を受け取ることができます。
メリット②:積立で買い付けできる
積立で定期的に買い付けることができます。
なので、ドルコスト平均法により高値の時に少ししか買わず、安値の時に多く買うことができます。
メリット③:証券会社が倒産しても保護される
他の投資信託同様、証券会社と運用会社がことなりますので、仮に証券会社が破綻したとしても、外貨MMFは保護されることになります。
メリット④:株や投資信託と損益通算できる
2016年から株と他の投資信託との損益通算ができるようになりました。
特定口座で取引をすれば、証券会社で損益を計算してもらえますし、確定申告の際にメリットがあります。
外貨MMFの便利な活用法とは?
ドル資金の待機先
外貨MMFは、米国株や米国ETFを買い付ける資金の「待機場所」として利用することができます。
例えば、米国株や米国ETFの場合、配当金はドルで受け取ることになります。このドルは、ただ持っているだけでは利息はつきませんが、外貨MMFの場合、直接ドルで投資することができます。
なので、以下の図のように同じ外貨で再投資をする場合の待機資金の一時的な投資先として活用するというのが、外貨MMFの有効な活用法と言えます。
ドルで直接外貨MMFに投資すれば、スプレッドを払う必要がないため、コストがかかりません。
なので、当面使う予定のないドルをMMFに投資して利息を受け取ることで、資金効率を高めることができます。
出典:SBI証券HPより
FXにはない特徴
FXの方がレバレッジを効かせられる分、より高い金利を受けることができるので、外貨MMFよりも有利だという人もいます。
確かにそのとおりですが、外貨MMFは、上記のとおりドル資金の待機先として利用できますので、米国株を取引する人にとってみると、利用価値は高いと言えます。
もし、外貨MMFの取引には証券会社の口座開設が必要です。自分も利用しているSBI証券は、米国株取引の手数料も安くて、おススメです。
まとめ
今回は、外貨MMFの特徴とデメリット、メリット及び有効な活用法について述べてきました。
自分も米国株を売却した際には、当面使う予定のない米ドルで、外貨MMFで持つようにしています。
米国の金利が上がってるので、米国株や米国ETF用のドル資金をMMFで待機させておけば、金利を得ることができますからね。
それでは。