
米国、国内、先進国、新興国の世界中の株式に手軽に分散投資できることから大人気となっているのが、全世界の企業にまるっと投資できる投資信託です。
企業の時価総額(=企業の規模)に応じてリバランスも自動で行い、そして全世界の株式に投資しているにもかかわらず、かなり低いコストで投資できるファンドもあります。
投資の基本である”長期・分散・積立”をこのファンドひとつで実現することができる商品に見えますが、実際のところはどうでしょうか?
”投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year”でもeMAXIS Slim 全世界株式が3年連続でトップになるなど商品としての投資家からの評価も極めて高くなっています。
このような高評価の一方、全世界株式への投資はおすすめしないという声があることも確かです。
そこで、今回の記事では全世界株式に投資するメリットとデメリットの両方を見ていった上で、おすすめしないのか自分なりの見解をまとめたいと思います。
結論は、長期保有に向いた商品であり十分におすすめできるということですが、これから投資を始める方やどの投資信託にするか迷っているという方はぜひ参考にしてみてください。

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全世界株式への投資とは?
投資信託には株式・債券・リートなど様々な資産に投資するタイプがありますが、全世界株式のインデックス投信は新興国も含めて世界中の株式にまるっと投資することができます。
具体的にどんな国に投資しているのかイメージをつかむために、構成国の割合を見てみましょう。
これは多くの全世界株式タイプの投資信託がインデックスとして採用しているMSCI ワールド・インデックスの国・地域別の構成比率です。
対象となる国は、先進国で23カ国で構成比率87%、新興国が27カ国で構成比率13%となっています。
全部で3000銘柄を超える企業で構成されていますが、時価総額(=企業の規模)の大きい企業の割合が大きくなるようになっているんですね。
構成比率の上位を見ると、
- 1位:米国
- 2位:日本
- 3位:中国
- 4位:イギリス
- 5位:フランス
の順になっています。全世界株式といっても米国の存在感は圧倒的で、構成比率の6割近くを占めているんですね。
組み入れ銘柄のTop10を見ても、Apple、Amazon、Microsoft、Google、Teslaなど米国の巨大企業が上位を占めているのがわかります。
こんな感じで、全世界株式タイプの投資信託に一本投資すれば、世界中の企業にまるっと投資をすることになります。
なお、全世界株式タイプのインデックスファンドは楽天全世界株式とeMAXIS Slim全世界株式の2商品がコストも安く、人気を二分しています。
特徴や魅力を記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
全世界株式に投資するメリットとは?最強なのか?
全世界株式タイプのインデックス投信に投資をするメリットは
- 一本で”長期・分散・積立”が可能
- 国や銘柄を選ぶ必要がない
ということですね。簡単に見ていきましょう。
メリット①:一本で”長期・分散・積立”が可能
なんと言っても、全世界株式に投資する最大のメリットは、これですね。インデックスファンド1本で、世界中の株式に広く分散して投資することができます。
分散と一言でいっても、
- 地域の分散
- 時間の分散
が重要になりますが、地域については全世界株式型に投資をするだけで簡単に実現できてしまいますね。
時間の分散という視点でいうと、eMAXIS Slim 全世界株式のようにつみたてNISAの対象ファンドになっている商品もあります。
コストも極めて低いこともありコツコツと積立投資することで時間の分散もはかることができます。
メリット②:国や銘柄を選ぶ必要がない
全世界株式タイプのインデックスファンドに投資をすれば、株式市場の変化に応じて銘柄を自動的に入れ替えてくれるので、自分で銘柄を選ぶ必要がありません。
時価総額の多い(=規模が大きい)企業に多く投資をすることになるんですね。
なので規模の大きい企業を多く抱える国への投資割合が高くなることになるので、どこの国に投資するべきか気にする必要はないです。
実際のところ、1899年と2020年における世界株式市場の構成割合を見ると、大きく変わっているのがわかります(左側:1899年、右側:2020年)。
出典:CREDIT SUISSE
1899年には英国(UK)企業が世界株式市場の中で最も大きな割合(25%)を占めていましたが、2020年ではわずか5%程度。
一方、米国は15%から54%にシェアが増大しています。20世紀以降、米国企業の存在感が大きくなったということです。
もちろん、21世紀に入っても絶好調の米国経済ですが、今後もこの勢いを維持できるかは誰にもわかりません。
米国企業が没落し、中国やインドなどの新興国が世界経済の主役になることだって十分にあり得る話です。
全世界株式タイプのインデックスファンドであれば、どの銘柄や国に投資するか考える必要はなく、時価総額に応じて自動的に構成を見直してくれることになります。
要するに”ほったらかし”でよいということです。
なお全世界株式や米国株式市場への投資はETFでも可能です。それぞれVT、VTIという商品ですが日本の個人投資家からも人気の高いETFとなっています。
特徴をまとめていますので、ぜひご覧ください。
全世界株式のデメリットとは?
反対に、全世界株式タイプのインデックス投信に投資をするデメリットは
- 成長性の低い国が含まれる
- 米国市場に比べてパフォーマンスが悪い
- 個別銘柄のように大儲けの可能性がない
ということですね。簡単に見ていきましょう。
デメリット①:成長性の低い国が含まれる
全世界株式の構成銘柄の中には、成長性の低い国も含まれます。
例えば、以下のチャートは全世界株式、先進国株式、新興国株式の過去10年のチャートとなっていますが、全世界株式のパフォーマンスが最も高くなっていることがわかります。
構成比率60%を占める米国株が上昇を牽引しているんですね。
赤:世界株 水色:先進国 緑:新興国
全世界株式の中には先進国や新興国の株式が全て含まれているので、成長性の低い(=株価がイマイチ)国が全体の足を引っ張ることになるということです。
成長著しい新興国のパフォーマンスがあまり良くないのは意外ですが、新興国の経済発展により米国企業や先進国の企業がより恩恵を受けているということですね。
また、新興国の中には経済不況で通貨リスクに陥ったり、中国のように塾などの教育関連企業の活動に突然制限がかけられたりするというリスクもあります。
デメリット②:米国市場に比べてリターンが低い
じゃあどこの国が世界の株式市場を牽引しているのか?
答えは明らかで米国市場です。米国の株価指数であるS&P500と比較すると全世界株式のパフォーマンスは大きく劣っています。
赤:全世界株式 紫:米国株式(S&P500)
なお米国市場はETFも魅力的ですが、AppleやTesla、Microsoft、Googleなど高い成長の魅力的な個別銘柄がたくさんあります。
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参考記事(姉妹サイト)⏬
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デメリット③:個別銘柄のように大儲けの可能性がない
全世界株式の期待リターンはせいぜい年率5〜10%程度であり、1年で投資資金が数倍になるようなことは、まずあり得ません。
「短期間で株価が5倍・10倍・20倍になるような銘柄を見つけて大儲けする」、これが株式投資の醍醐味と考える方も多いかと思います。
実際に電気自動車のテスラは2020年の1年間だけで株価が88ドル→705ドルまで急騰。わずか1年で8倍になったんですよね。
倒産リスクはありますが、株価が急騰する個別銘柄にうまく見つけることができれば、短期間で資産を数倍にすることも可能というわけです。
全世界株式は多くの企業に分散投資しているので、株価が急騰する企業もあれば、逆に株価下落している企業も含まれるため、1年で投資資金が倍になるようなことはありません。
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全世界株式はいつ買うべきか?
全世界株式やS&P500などのインデックス投資の場合は、長期で右肩上がりの上昇が期待できるため、タイミングは関係なく買い時と言えるでしょう。
株式で運用されている方の中には、株価が下落したタイミングで購入するといった人もいますが、相場の動きを読むことはプロでも難しいので、おすすめの方法ではないですね。
手持ち資金を一度に投資するのではなく、つみたてNISAなどの制度を活用して、時間の分散を行いながらコツコツと積立投資をするのがおすすめです。
参考記事⏬
つみたてNISAは全世界株式のみか米国株だけ?
まとめ:全世界株式をおすすめしない?最強?
ここまで全世界株式はおすすめしないのかということで、メリット・デメリットについて取り上げてきました。
過去10年の結果を見ると米国株式に比べてパフォーマンスで劣っているものの、自分としては、やはり全世界株式は非常に優れた商品だと思います。
リーマンショックのあった2008年以降に関しては、たまたまAppleやMicrosoft、アマゾンなどの米国企業の業績が絶好調であるため米国の株価が世界の株式市場を牽引してきたことは確かです。
しかし、将来的に米国経済や米国企業が没落して、中国やインド、ブラジルあたりの新興国の企業が世界の主役に躍り出ることも可能性としては十分にあり得ると思います。
全世界株式タイプのインデックスファンドであれば、どの銘柄や国に投資するか考える必要はなく、時価総額に応じて自動的に構成を見直し、リバランスしてくれるので長期的に安心して保有することができます。
これから資産運用を行う初心者の方や投資に時間をかけたくないというスタンスの方は、全世界株式タイプのファンドはおすすめできると考えます。
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