VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)はCRSP米国総合指数のパフォーマンスに連動する上場投資信託(ETF)です。
このVTIについて、投資はありか過去のデータなどをズバッと分析していきます。
- VTIってどんなETFなのかわかる
- VTIの過去の株価推移やリターンがわかる
- VTIに投資する方法についてわかる
- VTIに投資するメリット・デメリットがわかる
記事で詳細にみていきますが、VTIの特徴をまとめると、
- S&P500のリターンとほぼ同じ動きをする高いパフォーマンス
- 米国市場の中小型株まで含む約3500銘柄に分散投資できる
ということですね。
今回は、そんなVTIに投資するメリットなど解説します。今後の米国株や米国ETFに投資する際の参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
VTIとは?
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)は、バンガード社が運用するCRSP米国総合指数のパフォーマンスに連動した、米国市場のあらゆる時価総額規模の約3500社にまるっと投資できるETF(上場投資信託)です。
基本データ(2022年8月31日現在)
株価レンジ(52週) | 181.67 - 244.06ドル |
---|---|
経費率 | 0.03% |
分配金利回り | 1.51% |
1年リターン | -13.19% |
3年リターン | 12.05% |
5年リターン | 11.53% |
設定日 | 2001年5月31日 |
配当月 | 3月、6月、9月、12月 |
直近1年間のリターンは、金融引き締めの影響もあり-13%下落していますが、5年リターンを見ると上昇率が年率11.5%と、米国投資の王道であるS&P500指数に連動するインデックスファンドとほぼ同等のリターンを出しています。
株価の推移(チャート):5年
2020年2月のコロナショックの際は他の株式同様、170ドル前後あった株価が115ドル前後まで急落しています。ただ、その後の回復は目覚ましいものがありますね。
直近5年の株価を見てもコロナショック急落時以外は、きれいに右肩上がりに上がっているのが分かります。
VTIの組入上位銘柄について
ではVTIの組入上位銘柄を見ていきましょう。VTIの場合、アップルやマイクロソフト、アマゾンなど俗にいう「GAFAM銘柄」が上位を占めています。
組み入れ上位の銘柄には、このサイトでも紹介しましたQQQと同じような企業が並んでいます。また、VTIはS&P500よりも広く米国市場をカバーできるように設計されているのも特徴の一つです。
VTIのセクター(業種)別の比率について
VTIのセクター別の比率を見ていきます。VTIの上位セクターはアップルなどの情報技術セクターだけで25%弱を占めているのが特徴です。次いでヘルスケアと金融セクターが続きます。
情報技術セクターが高い比率で入っていますが、ほかのセクターもバランスよく入っていますね。
VTIに投資するには?日本の投資信託でも可能?
VTIに投資するには、外国ETFを扱っている証券会社に口座開設して取引することになります。
日本にもVTIのように全米市場に投資できるSBI Vシリーズや、楽天全米株式インデックスファンドがありますので、以下の記事で詳しく紹介させていただいています。
VTIは、マネックス証券、SBI証券、楽天証券などの主要ネット証券で取り扱っているので、米ドルでの取引となりますが、日本株を取引するのと同じ感覚で売買することができます。
VTIの配当金・分配金のデータは?
それではVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)の分配金データと配当金の推移を見ていきましょう。
- 分配金利回り : 1.52%
- 分配金利回り(5年平均): 1.66%
- 3年平均増配率:3.35%
- 5年平均増配率:5.00%
- 配当月:3月、6月、9月、12月
- (参考URL:Dividend Invester HP)
直近1年の分配金利回りは1.5%程度と決して高い数字ではないので、配当目的で買うETFではありませんね。
5年平均増配率も7%台と決して低くありませんが、それ以上に株価が上昇していますので、どちらかというとキャピタルゲインを狙うETFとなります。
2020年の配当金は前年比で5%ほど少なくなっていますが、基本的に配当金も右肩上がりで増えています。
VTIのリターンとパフォーマンスは?
以下は2001年の設定来のVTIのチャートです。
2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック、22年以外はきれいに右肩上がりの株価になっています。
また、直近10年のトータルリターンはS&P500のトータルリターンとほぼ同じような数字になっているので、基本的にS&P500と同じような値動きをすると考えていいでしょう。
VTIは買いか?:メリット・デメリット
VTIのデータや過去のパフォーマンスを見てきましたが、これらを踏まえてVTIに投資する際の
- 投資するメリット
- 投資するデメリット
についてまとめていきましょう。
投資するメリット
VTIのメリットをまとめると、
- S&P500指数と同水準の高いパフォーマンス
- VTIに間接投資できる投資信託がある
- 年間0.03%と圧倒的に安いコスト
- 日本の主要ネット証券から購入できる
ということですね。
まず挙げられるメリットは、構成銘柄が3500社と多いにもかかわらず、米国投資の最適解であるS&P500指数と同水準の高いパフォーマンスを出している点です。また、SBI証券のVシリーズなど、間接的にVTIに投資できる投資信託があるのも、大きなメリットの一つです。
仮にVTIに100万円投資しても年間の経費は300円程度ですので、長期間保有してもリターンへの影響はほとんどないですね。
なお、バンガード社の人気ETFということもあり、SBI証券、マネックス証券、楽天証券などの主要ネット証券から日本株を投資する感覚で投資することができます。
投資するデメリット
VTIのデメリットをまとめると、
- 1株の株価が高く、最低投資コストが25,000円ほどかかる
- 投資先が米国に集中するため、分散投資できない
- 連動する指数が聞きなれない(CRSP米国総合指数)
正直、あまりデメリットがないほど優秀なETFの一つですが、あえてデメリットを挙げるなら1株の価格が高く、25,000円と投資コストが高いことでしょうか。
また、連動する指数(CRSP米国総合指数)があまり聞きなれないことです。S&P500は毎日のようにニュースで流れますが、CRSP米国総合指数は比較的歴史の浅い指数(2011年~)のため、あまり目にすることがありませんね。
昨今は米国市場が好景気だったため、米国の中小型株も株価が上がりましたが、今後、不景気になったときは中小型株が売られる傾向にあります。その場合はS&P500のリターンより低くなる可能性がありますので注意が必要です。
VTIへの投資:個人的な感想
S&P500と同水準のパフォーマンスを出すのであれば、あえてS&P500ETFのVOOとVTIを同時に保有しなくてもいいですね。個人的にはVOOだけで米国市場の時価総額の80%をカバーできるので、VOOの方をメインに投資しています。VTIなのかVOOを買うのかは個人的な好みでいいでしょう。
参考までにS&P500と比較したチャートを載せておきますが、ほぼ同じような動きをしているのが分かります。(青線:S&P500、オレンジ線:VTI)
まとめ:VTIは買いか?
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)について買いなのかどうか、ズバッと分析してきました。
記事の結論をまとめると、
- 全米市場の中小型株含むほぼすべてをカバーして分散投資したい
- 投資信託を利用し、小額からVTIへ投資したい
ということです。先程も書きましたが、VTI一本でほぼ全米市場をカバーできますので、ほかのETFを候補にするなら、VGTなどのセクターETFやほかのアセットを組み合わせた方がいいでしょう。
それでは。
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