米国の高配当株に投資するETF・VYM。
このVYMに連動する投資信託である「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド【愛称:SBI・V・米国高配当株式】」の特徴、株価(基準価額)、メリット・デメリット、競合ファンドとの比較について見ていきます。
従来はVYMに連動するファンドは「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」だけでしたが、より低コストで投資できる商品として2021年6月に「SBI・V・米国高配当株式インデックスファンド」が発売されました。
- SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドの特徴を紹介
- 評判・評価そして口コミを紹介
- 投資するメリット・デメリットを分析
- 競合ファンドとの比較
冒頭から、本記事の結論をお伝えします。
投資対象のVYMは間違いなく優良ETFだが、あえて投資信託でVYMに投資する目的が明確な人には購入候補となるファンド
それが今回ご紹介するSBI・V・米国高配当株式インデックスファンドです。
そんなSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドについて、評価や評判・見通しについても深掘りしていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
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SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドの特徴とは?
まず、基本情報や主な投資先、構成銘柄を確認しましょう。
基本情報
運用会社 | SBIアセットマネジメント株式会社 |
---|---|
設定日 | 2021年6月29日 |
投資対象 | 外国株式 |
販売手数料 (購入時手数料) |
なし |
信託報酬 (運用管理費用) |
0.1238% |
信託財産留保額 | なし |
直近分配金 | 0円 |
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドは、バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)を投資対象としています。このVYMは、「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」に連動するように運用されています。
よって、SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドを購入することで、米国の高配当銘柄(およそ400社)に投資できるんですね。
主な投資先と運用体制
出典:SBIアセットマネジメント株式会社 SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド 投資信託説明書(交付目論見書)
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドは、バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)を通じて、約400銘柄の米国の高配当株式に投資する仕組みであることは先述のとおりです。
400銘柄に投資するので銘柄数の分散がなされていることはもちろん、下図に示すとおり投資先のセクターも分散されています(2023年12月時点)。
出典:SBIアセットマネジメント株式会社 SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド 月次レポート(2023年12月29日基準)
いずれも業種を代表する企業ばかりですので、知っている会社も多いのではないでしょうか。強固な財務基盤に支えられた配当安定性はもちろんのこと、今後も成長が見込まれる企業も多いため株価の上昇も期待されます。
VYMについては詳細を記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
資産総額
251.53億円(2024年2月7日現在)。
運用開始日の2021年6月29日からまだ3年ほどしか経過していませんが、順調に資金を集められています。
基準価額・純資産の推移
設定されて間もないですが、2021年以降、基準価額・純資産総額ともに上昇しています。一時的に下落しても上昇トレンドにあると言えるでしょう。
後ほどメリットの章で説明しますが、VYMの株価は長期的に右肩上がりです。今回の下落の底値がいくらなのかは分かりませんが、長期的に見た時にチャンスとなる買い場が訪れているのかもしれません。
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドの評価とは?
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドのメリット・デメリットについては、以下の通りです。
高評価のポイント(メリット)
◯投資対象のETFが優秀
冒頭で概要を説明したように、投資対象であるバンガード社のETF・VYMは以下の点において非常に優れています。
- 経費率が0.06%と驚異的に低い
- 大型株を中心に約400銘柄に分散できている
- 過去10年の平均分配金利回りが3.29%
- 過去10年の平均増配率が7.12%
- 分配金だけでなく株価上昇の利益も見込める(5年トータルリターン年率約9.79%)
このVYMに投資信託で投資できることが最大のメリットと言えるでしょう。
◯競合ファンドよりもコストが低い
投資対象が同じである「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」が競合商品となります。楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドの信託報酬が0.192%であるのに対し、SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド0.1238%とより低く設定されています。
低評価なところ(デメリット)
〇分配金が出ない
通常、分配金を出さないことで効率的な運用が可能になります(分配金は確定利益のため課税対象)。
しかし、VYMは高い分配金利回りが特長のETFです。VYMの主な投資家層は、「資金運用的には非効率であることは分かっているけれど、毎月のキャッシュフローを改善するためにインカムゲインが欲しい」人たちだと思われます。
そうなると、投資信託という分配金を出さない(再投資する)形で投資するよりも、VYM自体を購入する方が本来の目的に適うことが考えられます。
また、分配金を再投資して高いトータルリターンを求めるのであれば、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドや楽天・米国高配当株式インデックスファンドを選んだ方が合理的かもしれません。詳しくは「競合ファンドとの比較」で後述します。
◯SBI証券でしか購入できない
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドの残念なところは、販売会社がSBI証券のみに限られている点です。他の証券会社の口座を持っている人は、楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドを買いましょう。
〇構成セクターに不動産が含まれていない
VYMには幅広いセクターが含まれていると説明しましたが、不動産は含まれていません。「リスクヘッジのために不動産にも投資したい」という場合は、同じ高配当ETFであるSPYDにも追加で投資することも検討の余地があります。
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドの評判・口コミは?
Twitter上には、以下のような口コミ情報がありますので、参考にしてみると良いでしょう。
【SBI・V⑨高配当株式】SBI・V高配当株式インデックス・ファンド、信託報酬0.1238%。中身はバンガード・米国高配当株式ETF(VYM)そのまんま。ETFのVYMのコストは0.06%。分配利回り2.81%。米国の、配当利回りが市場平均より高い約400銘柄。VYMはFIREの人にも人気のETFだよん。
— 綾小路麗香/マネー編集者 (@reika_amoney) June 27, 2021
「SBI・V・米国高配当株式」は、同じインデックスで運用し、4年前設定の「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」を、設定後わずか7ヶ月で純資産残高を上回る!
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) January 14, 2022
「SBI・V・米国高配当株式」、高配当に下支えされるディフェンシブな性格が注目される局面に https://t.co/sUo5CaJskt
https://twitter.com/mmm_1994m/status/1398453323007545347
やはり、コストの低さやVYMというETF自体への信頼性から評価されているようですね。
一方、トータルリターンを重視するのであればS&P500やナスダックに連動するファンドに投資する方が良いとの声もありました。
競合ファンドとの違いは?
ここで、SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドを他の投資信託と比べてみましょう。
比較対象は以下の3本。
- 楽天・米国高配当株式インデックスファンド
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
いずれも低コストで米国市場に投資できるファンドです。各ファンドについて知りたい方は以下の記事をご覧ください。
比較結果
早速、ファンドの比較結果を表にまとめました。
SBI(高配当) | 楽天(高配当) | SBI(S&P500) | eMAXIS(S&P500) | |
投資対象 | FTSEハイディビデンド・イールド・ インデックス |
FTSEハイディビデンド・イールド・ インデックス |
S&P500指数 | S&P500指数 |
投資対象銘柄数 | 約400 | 約400 | 500 | 500 |
1年トータルリターン | 13.25% | 41.1% | 44.23% | 44.52% |
3年トータルリターン | データなし | 17.66% | データなし | 27.66% |
設定日 | 2021/6/29 | 2018/01/10 | 2019/09/26 | 2018/07/03 |
信託報酬 | 0.1238% | 0.192% | 0.0938% | 0.0968% |
純資産総額 | 66.78億円 | 64.48億円 | 4,570億 | 9,493億 |
投資対象ETFの 分配金利回り |
3.39%(VYM) | 3.39%(VYM) | 1.51%(VOO) | 1.51%(VOO) |
まず、純資産総額はVOO(S&P500)に投資する2ファンドが桁違いに大きいことが分かります。コスト・トータルリターンともに優れているので、人気があるのも納得です。
一方、分配金利回りはVYMの方が倍以上高いことが分かります。よって、VYMとVOOでは投資家の投資目的が異なると言えるでしょう。
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドと楽天・米国高配当株式インデックスファンドを比べると、「信託報酬が低い」、「設定日が3年以上遅いにもかかわらず純資産総額は追い越している」ことから、SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドに軍配が上がります。
- トータルリターンを重視する人は、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドまたはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を選びましょう。どちらも甲乙付けがたい優秀なファンドですので、好みで選んでも問題ありません。
- VYMに投資したい人は、SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドを選びましょう。
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドはおすすめ?
以上、SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドの特徴、メリットやデメリット、評判、競合ファンドとの比較などについてご紹介いたしました。
本記事の内容は以下のとおりです。
- 投資対象のVYMは、平均約3%の分配金利回りを得ながらもキャピタルゲインも期待できる優良ETF
- そのVYMに低コストで投資できるファンドがSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド
- しかし、投資信託であるがゆえにVYMの大きな魅力である分配金を享受できない
分配金を出さないというファンドの特徴を踏まえたうえで、ETFではなくあえて投資信託で投資する目的を明確に持っている人に向いている商品。それがSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドです。
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