VDC:生活必需品の上場投資信託(ETF)は買い?株価•配当•構成銘柄は?

米国の生活必需品セクターの銘柄にまるっと投資できる、上場投資信託(ETF)VDCについて、投資はありか過去のデータなどをズバッと分析していきます。

この記事でわかること
  • VDCってどんなETFなのかわかる
  • VDCの過去の株価推移やリターンがわかる
  • VDCに投資する方法についてわかる
  • VDCに投資するメリット・デメリットがわかる

上場投資信託(ETF):VDCとは?

バンガード・生活必需品セクターETF のVDC(Vanguard Consumer Staples ETF) は、このセクターの銘柄にまるっと投資できる米国のETF(上場投資信託)です。

ウォルマート、アルトリア、P&G、コカ・コーラなどの企業で構成されるMSCI US Investable Market Consumer Staples 25/50 indexに連動します。

生活必需品セクターは、景気が悪くなった局面でも安定した業績を期待できるため、他のセクターに比べて株価が下がりにくいという特徴があります。

基本データ(2021年9月15日現在)

株価レンジ(52週) 157〜189ドル
経費率 0.1%
分配金利回り 2.38%
1年リターン 15.28%
設定日 2004年1月30日
配当月 四半期ごと(3、6、9、12月)

株価の推移(チャート):5年

業績の安定している生活必需品セクターの銘柄で構成されるETFということもあり、きれいな右肩上がりで上昇しています。

2020年2〜3月のコロナショックの際には、1ヶ月程度で大きく株価は下落しましたが、2020年末には暴落前水準を回復し、過去最高値を更新し続けています。

上位構成銘柄(2021年9月16日現在)

日本にも進出している企業が多いので、聞いたことのある名前が多いのではないでしょうか。

小売業のコストコは会員制の大型量販店で日本でも約30店舗展開しています。ウォルマートも世界最大のスーパーマーケットチェーンで年間の売り上げは50兆円という国家予算並みの規模を誇ります。

これらの小売業は、普段の生活に不可欠な食料品や日用品を扱っているので景気が悪くなっても業績が悪化しづらいです。

その他、シャンプー・石鹸・洗濯洗剤などを扱うP&G、清涼飲料水のコカ・コーラやペプシ 、独占的にタバコを製造販売するアルトリアやフィリップモリス、歯磨き粉のコルゲートなど。

消費者が生活を送る上で欠かすことのできない商品を扱う銘柄で構成されているのがわかると思います。

(参考URL:ブルームバーグHP

VDCの配当金・分配金のデータは?

安定した業績が期待できる銘柄で構成される生活必需品セクターETF VDC。分配金データと配当金の推移を見ていきましょう。

VDC分配金データ
  • 分配金利回り : 2.38%
  • 3年平均増配率:7.23%
  • 5年平均増配率:11.1%
  • 配当月:四半期ごと(3、6、9、12月)

(参考URL:Seeking Alpha HP

2020年の分配金は4.35ドルとなっていて、前年の3.94ドルから10%以上の増配となっています。

ただ、3年平均の増配率が7%を超えていて、S&P500の増配率が約5%程度ということを考えるとわりと高い水準。

(参考URL:Seeking Alpha HP

分配金利回りは2%程度あり、増配率も過去の実績から7%程度あるので、インカムもそれなりに期待できます。

生活必需品セクターの業績は、景気の動向に左右されづらいこともあり、今後の増配にも期待できそうです。

VDCのリターンとパフォーマンスは?

過去5年のリターンをS&P500と比較したのが以下のチャートです。

2008年のリーマンショック以降、情報技術や大型ハイテク銘柄などのグロース銘柄の株価が大きく上昇していることもあり、これらの銘柄が含まれるS&P500がVDCよりもリターンが高くなっています。

一方、2020年2月のコロナショック時における株価の下落幅は金融銘柄や景気敏感株を多く含むS&P500よりも小さいですね。業績の安定している銘柄で構成されているVDCは、S&P500に比べて株価の値動きがマイルドです。

なお、ジェレミー・シーゲル博士の著書「株式投資の未来」によると、1957年〜2003年における生活必需品セクターの年率リターンは13.36%であり、S&P500の10.85%を大きく上回っているんです。

将来的なリターンは当然のことながら分かりませんが、生活費需品セクターは全体の収益は景気の動向などに影響を受けづらいこともあり、長期的には高いリターンが期待できそうです。

VDCは買いか?:メリット・デメリット

基本データや過去のパフォーマンスを見てきましたが、これらを踏まえてVDCに投資する

  • 投資するメリット
  • 投資するデメリット

についてまとめていきましょう。

投資するメリット

VDCのメリットをまとめると、

VDCのメリット(まとめ)
  • 長期的に安定したリターンが期待できる
  • 分配金の増配率が高い
  • 経費率が低い
  • 日本の主要ネット証券から購入できる

ということですね。

生活必需品セクターは、景気の動向や政治・経済の動向に関係なく安定した収益を生み出すディフェンシブ銘柄で構成されていることもあり、過去のパフォーマンスを踏まえると、長期的に安定したリターンが期待できます。

さらに、これだけ安定したリターンが期待できるETFでありながら年間の経費率が0.1%と非常に低い水準というのもポイントが高いです。

バンガードのセクターETFは経費率0.1%となっていて、100万円投資しても年間の経費は1000円程度。長期間保有してもリターンへの影響はほとんどないと言えます。

なお、バンガード社の人気ETFということもあり、SBI証券、マネックス証券、楽天証券などの主要ネット証券から日本株を投資する感覚で投資することができます。

投資するデメリット

VDCのデメリットをまとめると、

VDCのデメリット(まとめ)
  • 構成銘柄が地味
  • 短期的にはグロース銘柄よりリターンが劣る

ということですね。

構成銘柄は、誰でも聞いたことのあるようや小売チェーンやタバコ株、清涼飲料水メーカーなど既に事業内容が成熟している企業ばかりです。

堅実な成長は期待できますが、GAFAMやテスラ、Netflixのような大きな成長を期待できる銘柄はないですね。

どうしてもIT銘柄や大型ハイテク銘柄などのグロース株に比べると事業が成熟しているぶん、成長力は見劣りしてしまいます。

なおヘルスケアセクターで構成されるVHTも堅調な成長を期待できる上場投資信託(ETF)です。

特徴や魅力をまとめてますので、ぜひご覧ください。

VDCへの投資:個人的な感想

VDCは分配金利回りも高く、業績も底堅い銘柄で構成されていることもあり、長期保有前提で投資するには適したETFと考えます。

しかし、業績鉄板の生活必需品セクターですが将来的に懸念材料がないわけではありません。

もう少し具体的には、

  • アマゾンなどのEコマースの普及
  • プライベートブランドの品質向上

ということですね。

食料品や日用品を扱うEコマースの発展により、ウォルマートやコストコなどのスーパーに行かなくても、食料品や日用品を購入することができます。

新型コロナ拡大による行動制限で、オンライン通販の利用は益々一般的になったといえるでしょう。

さらに、プライベートブランドの品質が年々向上してるのも見逃せない点です。日本でもイオンのトップバリューやセブンイレブンのセブンプレミアムの売り上げが伸びています。

これは発展途上国でも見られる傾向で、地元の小売業などがプライベートブランドを安価で販売しています。

以前は口に入る食料品や日用品は信頼性の高いメーカーの製品が圧倒的な強さを誇りました。しかし、現在はネットの口コミとかである程度品質は確認できますから、ナショナルブランドにこだわらない人が増えてきています。

過去5年のVDCのリターンはS&P500よりもかなり悪くなっています。この株価の鈍化が一過性のものなのか、それとも今後も続く傾向なのかは、よいく見ていく必要がありますね。

VDCに投資するには?日本の投資信託でも可能?

生活必需品ETF VDCに投資するには、外国ETFを扱っている証券会社に口座開設して取引することになります。

残念ながらVDCは、楽天・VTIやSBI・VOOのように、海外ETFに投資をするタイプの投資信託は設定されてないんですよね。

VDCは、主要なネット証券であるマネックス証券、SBI証券、楽天証券などで取り扱っているので、米ドルでの取引となりますが、日本株を取引するのと同じ感覚で売買することができます。

生活必需品に特化したインデックス投信はないので、日本円で購入できる投資信託が良いという方は、以下のようなS&P500など米国の株式市場全体に投資するタイプの投信が選択肢になると思います。

まとめ:VDCは買いか?

米国の生活必需品セクターETF VDCについて買いなのかどうか、ズバッと分析してきました。

記事の結論をまとめると、

こんな人におすすめ
  • 業績鉄板のディフェンシブ銘柄を集めたETFに投資したい
  • 大型ハイテク銘柄は高騰しすぎで手が出ない
  • 長期的な安定したリターンを追求したい
  • 日本のアクティブ型投信のコストが高くて投資する気にならない

ということです。

VDCは、GAFAMやエヌビディア 、Netflix、インテルなどの大型ハイテク銘柄のような派手さはありませんが、日々の生活を送る上で必要不可欠な製品を提供する銘柄で構成されていることもあり、毎年の堅調に成長していくことが期待できます。

株価の値動きはS&P500よりもマイルドであることは間違いないので、腰を据えて長期的にじっくりと投資していきたい人には向いているETFといえるでしょう。

それでは。

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