「結局、全世界株式と米国株式はどっちがいいの?」
「米国株が好調だから全米株式一本でいいでしょ?」
そんな疑問に悩んでいる駆け出し投資家の人も多いと思います。
個人投資家の間で究極の選択ともいわれる「VT(全世界株式)に投資をするか、VTI(全米株式)に投資をするか?」の疑問にこたえるべく、この記事ではバンガード社の人気ETFであるVTとVTIを比較していきます。
- VTとVTIの基本情報を比較
- VTとVTIのメリットとデメリットを解説
- VTとVTIのどっちを買えばいいのかが分かる
具体的に比較する前に、このブログでも以前、VTとVTIの個別紹介を記事にしていますので、先に確認してから進めたいと思います。
詳細記事を簡単にまとめると、まずVT(全世界株式)は
- 主要先進国に分散投資できるが、米国市場が60%を占める
- パフォーマンスはVTI(全米株式)に劣る
- 組み入れ銘柄の上位トップ10はすべて米国企業
- 投資先セクターは情報技術セクターが約20%を占める
ということでしたね。続いてVTI(全米株式)を見てみると
- 投資先は米国企業の4000銘柄に分散投資(米国市場の時価総額99%をカバー)
- 米国企業の時価総額80%をカバーするS&P500とほぼ同等のパフォーマンス
- 投資先セクターは情報技術セクターが25%を占める
- ETFの中でも圧倒的に安い0.03%の経費率
ということでしたね。
この基本的なポイントを抑えつつ、VT(全世界株式)とVTI(全米株式)を比較していき、最終的にどちらのETFを買えばいいかという悩みを解決できればと思っています。
ぜひ最後までご覧ください。
【比較①】VTとVTIの基本情報
VT | VTI | |
株価レンジ(52週) | 85.57 - 109.39ドル | 187.80 - 243.60ドル |
経費率 | 0.08% | 0.03% |
分配金利回り | 1.51% | 1.24% |
1年リターン | 30.86% | 28.31% |
3年リターン | 17.80% | 21.34% |
5年リターン | 15.77% | 17.95% |
設定日 | 2008年6月26日 | 2001年5月31日 |
配当月 | 3月、6月、9月、12月 | 3月、6月、9月、12月 |
まず特筆すべきポイントは経費率の違いですね。VTが0.08%に対し、VTIはETFの中で最も低い0.03%の経費率となっています。
ただ、投資最低コストである株価を見るとVTIの方がVTよりも2倍以上高いため、投資コストの高さがVTIのデメリットの一つと言えます。直近1年のリターンはVTのほうが優れていますが、3年、5年の長期リターンはVTIのほうが優れていますね。
【比較②】VTとVTIのリターンは?
つづいてVTとVTIのリターンとパフォーマンスを見ていきます。下の過去5年の株価チャートを見ると一目瞭然ですが、リターンはVTIの方がいいですね。ここ10年で米国市場が好調だったことの裏付けになります。
株価チャートはほぼ同じような動きをしていますが、VTは他国市場が米国市場より伸びていなかったことが、逆に足を引っ張っている形になっています。
※オレンジ線がVT、青線がVTIとなります。
【比較③】VTとVTIの組み入れ銘柄
それではVTとVTIの組み入れ銘柄上位10社を見ていきます。
VT | VTI | |
Microsoft Corp | 3.16% | 5.24% |
Apple Inc | 2.98% | 4.95% |
Amazon.com Inc | 1.85% | 3.05% |
Tesla Inc | 1.12% | 1.88% |
Alphabet Inc Class A | 1.11% | 1.88% |
Alphabet Inc Class C | 1.07% | 1.69% |
Meta Platforms Inc Class A | 0.98% | 1.62% |
NVIDIA Corp | 0.77% | 1.28% |
JPMorgan Chase & Co | 0.64% | 1.07% |
UnitedHealth Group Inc | 0.55% | |
Berkshire Hathaway Inc Class B | 1.04% |
全世界に分散投資するVTとはいえ、組み入れ銘柄の上位企業は「GAFAM銘柄」を中心とした米国企業で占められており、10社中9社は全米株式のVTIと同じ米国企業です。
VTの投資先は全世界だが、実は米国が60%を占めている
VTの投資先は先進国や新興国を含む全世界ですが、以下図のようにVTの投資先を国別で見てみると、実は米国への投資比率が60%を占めています。
全世界への分散投資をうたっているVTといえど、仮に米国が不調に陥れば、少なくない影響を受けます。それであればトータルリターンに優れた全米株式のVTIに集中投資する主張も理にかなっています。
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インカムレターの評判と口コミを見る
【比較④】VTとVTIの口コミ、評判
ではVTとVTIの世間での評判や口コミを見ていきます(twitterより)。
VT一本で世界の時価総額98%をカバー
https://twitter.com/FIRE60028219/status/1464873676457668611
VTの分散投資はやはり個人投資家にとって魅力的ですね。
VT(全世界株式)とVTI(全米株式)でリスク分散
https://twitter.com/7yurayura7/status/1455777073394372611
VTとVTIはセットで積み立てている人が多い印象ですね。
VTIをメインにバンガードの人気ETFを中心にリスク分散
https://twitter.com/urisanblog/status/1412742356965548034
ETFでおすすめするなら、やはりバンガード社の3種類は欠かせないですね。
【比較⑤】VTとVTIに連動する投資信託は?
VTとVTIはどちらもバンガード社の人気ETFであり、各大手証券会社でもVTとVTIに投資する投資信託を販売しています。楽天証券では「楽天全世界株式インデックスファンド(通称:楽天VT)」と「楽天全米株式インデックスファンド(通称:楽天VTI)」という投資信託を取り扱っており、個人投資家の間でも人気になっています。
楽天VT | 楽天VTI | |
---|---|---|
買付手数料 | 無料(ノーロード) | 無料 |
分配金 | なし | なし |
信託報酬 | 0.212%以内 | 0.162% |
楽天投信投資顧問 | 楽天投信投資顧問 | 楽天投信投資顧問 |
投資信託の特徴は
- 100円から円建てで少額投資ができる
- 分配金は出さずに自動的に再投資される
- つみたてNISAの対象商品である
ことが挙げられますので、「ほったらかし」という手軽さでは投資信託のほうが向いていると言えます。楽天VTと楽天VTIについては、このブログでも個別記事で紹介していますので、以下のURLから参考にしてください。
【結論】VTとVTIは結局、どっちを買えばいいの?
今回は、バンガード社の人気ETFである「VT(全世界株式)」と「VTI(全米株式)」を比較検討し、紹介しました。VTとVTIでどちらのETFを買おうか迷っている人に向けて書くと
- 一国だけじゃ不安なので日本を含む全世界に投資したい → VT
- 全米をカバーする分散投資をしたい → VTI
- できるだけ高いリターンを得たい → VTI
ということですね。
正直なところVTもVTIも甲乙つけがたいほど優秀なETFなので、長期保有を目的に買えばどちらも大きく失敗することはないと言えるETFです。
強いて言えば、VTIのように一国集中投資によるカントリーリスクを懸念するならば、全世界が投資先である「VT」を選んだほうが無難です。ただ、過去の成長率やトータルリターンを考えるなら、「VTI」のほうがいいと言えます。
楽天VTや楽天VTIのように投資信託で運用する方法もあるので、投資初心者の人は少額から始められる投資信託から始めてみてはいかがでしょうか。
それでは。