VOO(バンガードS&P500)は米国市場に上場している代表的な企業500社を指数化したS&P500指数に連動する上場投資信託(ETF)です。
このVOOについて、分配金や構成銘柄は?投資はありか?買い時なのか?過去のデータなどをズバッと分析していきます。
- VOOってどんなETFなのかわかる
- VOOの過去の株価推移やリターンがわかる
- VOOに投資する方法についてわかる
- VOOに投資するメリット・デメリットがわかる
記事で詳細にみていきますが、VOOの特徴をまとめると、
- 設定来で株価が約4倍となる驚異的なパフォーマンス
- 経費率0.03%と国内のインデックスファンドを寄せ付けない低コスト
- 投資対象が米国主要企業約500社と、米国市場の時価総額80%をカバーできる
ということですね。
今回は、そんなVOOに投資するメリットなど解説します。今後の米国株や米国ETFに投資する際の参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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上場投資信託(ETF):VOOとは?
VOO(バンガードS&P500)は、バンガード社が運用するS&P500指数に連動した、米国を代表する企業である500社にまるっと投資できるETF(上場投資信託)です。
基本データ(2022年8月2日現在)
株価レンジ(52週) | 334.24 - 441.26ドル |
---|---|
経費率 | 0.03% |
分配金利回り | 1.53% |
1年リターン | -4.98% |
3年リターン | 13.54%(年率) |
5年リターン | 12.67%(年率) |
設定日 | 2010年9月9日 |
配当月 | 3月、6月、9月、12月 |
直近1年間のリターンはマイナスとなっていますが、これは金融引き締めによる世界的な株価下落の影響によるものです。
ただ、5年リターンを見ると年率12%を超えており、全体のパフォーマンスとしては非常に優秀なETFと言えます。
株価の推移(チャート):5年
2020年2月のコロナショックの際は他の株式同様、300ドル前後あった株価が210ドル前後まで急落しています。
その後、コロナの状況が落ち着くにつれ、株価はコロナ前の水準以上までに回復しており、21年末には過去最高値を更新。
一方、短期的には株価は下落傾向を示しています。
VOOの組入上位銘柄について
ではVOOの組入上位銘柄を見ていきましょう。組み入れ上位にはiPhoneで有名なアップル、Windowsのマイクロソフト、日本人にもおなじみのアマゾン、Google(アルファベット)といった、アメリカを代表するハイテク企業が名を連ねています。
また、電気自動車のテスラも2020年12月21日にS&P500種株価指数の構成銘柄に採用されたのは、記憶に新しいところで、既に構成銘柄の上位10社に入っています。
VOOのセクター(業種)別の比率について
VOOのセクター別の比率を見ていきます。VOOの上位セクターはアップル社などの情報技術セクターが25%と高くなっており、GAFAM企業の好調がVOOの株価をけん引している形になっています。次いで金融セクター、ヘルスケアと続き、上位3セクターで6割強を占めています。
(画像はSeeking alphaより)
VOOに投資するには?日本の投資信託でも可能?
VOOに投資するには、外国ETFを扱っている証券会社に口座開設して取引することになります。
ETFのVOOは、SBI・VOOのように、日本円建てで小額から投資できる投資信託が設定されています。以下の記事でS&P500に投資できる日本の投資信託を紹介していますのでぜひ参考にしてください。
VOOは、マネックス証券、SBI証券、楽天証券などの主要ネット証券で取り扱っているので、米ドルでの取引となりますが、日本株を取引するのと同じ感覚で売買することができます。
なお、VOOのようにS&P500種株価指数に投資できるETFは、バンガード社のVOO以外に、State Street社のSPY、ブラックロック社のIVVがあります。参考までに三社のS&P500ETFの比較チャートを載せておきます。
VOOが青線、SPYがオレンジ線、IVVがピンク線となっていますが、きれいに重なっていますので、トータルリターンはほぼ差がありませんね。
ただ、SPYの経費率が0.09%とほかVOOとIVVに比べると高いので、投資コストを考えるとVOOかIVVを選んでおけば間違いないでしょう。
VOOの配当金・分配金のデータは?
それではVOO(バンガードS&P500)の分配金データと配当金の推移を見ていきましょう。
- 分配金利回り : 1.52%
- 5年平均増配率:6.17%
- 配当月:3月、6月、9月、12月
(参考URL:Dividend Invester HP)
分配金利回りが直近1年で1.31%となり、決して高い数字ではありません。ただ、5年平均増配率が6%を超えており、配当は安定して増配していますね。
上記は配当利回りのチャートですが、コロナショック前までは1.5%~2.0%の間に入っていました。ただ、コロナショック後の株価急騰により、配当利回りも低くなっていますね。したがって、VOOはどちらかというと配当金を狙うというよりも、値上がり益(キャピタルゲイン)を見込めるETFとなります。
上記は直近10年の配当履歴のチャートですが、2020年に5%ほど減配していますが、配当金も右肩上がりであり、安い株価で買えれば配当利回りも上がる構造になっています。
VOOのリターンとパフォーマンスは?
以下は2010年の設定来のVOOのチャートです。
2010年の設定来で2020年のコロナショックを除けば、きれいに右肩上がりに株価が上がっています。10年で約4倍の株価上昇は驚異的なパフォーマンスです。
(画像はSeeking alphaより)
また、直近10年のトータルリターンは3.6倍あり、長期で保有しておきたいETFのひとつです。
VOOは買いか?:メリット・デメリット
VOOのデータや過去のパフォーマンスを見てきましたが、これらを踏まえてVOOに投資する際の
- 投資するメリット
- 投資するデメリット
についてまとめていきましょう。
投資するメリット
VOOのメリットをまとめると、
- 直近10年の年率平均が17%以上と驚異的なパフォーマンス
- 米国を代表する企業500社に分散投資できる
- 経費率が0.03%と低い
- 日本の主要ネット証券から購入できる
ということですね。
まず挙げられるメリットは、直近10年のリターンが17%を超えており、10年で株価が3.6倍ほどに上がっていることです。ただ、VOOの組み入れ銘柄でも触れましたが、情報技術セクターの比率が高いため、アマゾンやアップルなどのハイテク企業が好調だったことも、株価上昇の大きな要因の一つでした。
また、VOOに100万円投資しても年間の経費は300円程度ですので、長期間保有してもリターンへの影響はほとんどないですね。
なお、バンガード社の人気ETFということもあり、SBI証券、マネックス証券、楽天証券などの主要ネット証券から日本株を投資する感覚で投資することができます。
投資するデメリット
VOOのデメリットをまとめると、
- 配当利回りが1.3%と、インカムゲイン目的としては少し弱い
- 米国一国集中なので、分散投資が期待できない
デメリットとして、配当金利回りがそれほど高くないことが挙げられます。したがって、VOOをたくさん保有して配当金だけで生活する最近の流行りのセミリタイア(配当金生活)は難しいでしょう。
また、投資対象が米国を代表する500社に限定されることも、分散投資目的になりませんね。ただ、今後の世界経済で米国が没落するようなことがあれば、他国の株式も引きずられると思います。もし、分散投資するなら、ほかのアセット(債券や不動産、金など)を組み合わせることをお勧めします。
VOOへの投資:個人的な感想
設定来で見ても年平均17%以上と驚異的なパフォーマンスを出しているVOOなので、キャピタルゲインを狙えるETFとなっています。
また、特に大きなデメリットもないため、長期目線で安心して保有していけるETFの一つだと言えるでしょう。
VOOのようなETFを買うのは、株価が高値になっている関係で購入へのハードルが高い人もいるでしょう。幸いなことに、VOOのようにS&P500に連動するインデックスファンドも日本の大手証券会社で取り扱っています。初心者の人は、まず小額から始められるインデックスファンドに、積立投資することをお勧めします。
まとめ:VOOは買いか?
VOO(バンガードS&P500 ETF)について買いなのかどうか、ズバッと分析してきました。
記事の結論をまとめると、
- GAFAMなどのアメリカを代表するハイテク企業に投資したい
- 毎月、小額からアメリカ市場に投資したい(SBI・VOOなど)
- 投資で大きな値上がり益を狙いたい
ということです。投資初心者の人は保有する銘柄に悩んだら、VOOやVOOのようにS&P500に連動するインデックスファンドを買うことをお勧めします。持っていて損はないほど、優秀なETFですね。
それでは。
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