給料の手取りが年々減少しているみたいだけど、
・実際はどうなのか?
・何か対策はあるのか?
についてです。実は、デフレで手取りが減少しているなか、消費増税や物価増で使えるお金も減っているんです。
大学で公共政策と経済を専攻していたかいまるです。
最近「デフレからの脱却」「大規模な金融緩和」などなど、日本経済を活性化させるためにあらゆる政策を打ち出されて、失業率の低下や最低賃金や初任給の増加など、一定の成果は出ているようですね。
だけど、実質的な賃金の上昇は限られており、消費増税や、財政悪化による社会保障費の増加、物価の上昇等々を考えると、会社員の生活は年々厳しくなることが予想されます。
そこで今回は
- 給料の手取りが減少?
- 使えるお金が減っている
- 株式投資や副業等で会社からの給料以外にも収入源を探ることが重要
ということについて見ていきたいと思います。
会社員の給料の手取りが減少⁉︎
サラリーマンの給料って減っているの?
実はバブル崩壊して以降、所得は下がり続けているんですね。厚生労働省の調査によると、
・平成 6年:664万円
・平成29年:560万円
となっています。
終身雇用制の崩壊や非正規雇用の増加によって賃金が下がり続けているんですね。
アベノミクスによる金融緩和政策によって、賃金は下げ止まっているものの、2018年の実質賃金の伸びは1.1%程度にとどまっています。
定期昇給はするけれども、ベースアップしているという実感は乏しい状況が続いているね。
消費増税、デフレ!使えるお金が減っている?
実は、生活が苦しくなるのは手取りの減少だけじゃありません。実際に使えるお金って年々低下しているんです。
・消費増税・社会保障費の増加
・実は物価が着実に上がっている
・最近も日用品が値上がり傾向
というもの。クイックに見ていきます。
使えるお金が減る理由①:消費増税・社会保障費の増
ちょっと古い資料ですが、東洋経済の記事によれば、下記の図のように世帯年収1000万円の共働き・片働き世帯(3歳以上中学生以下の子供2人)では、2011年~2015年にかけて使えるお金(可処分所得)が、なんと35万円以上減っているそうです。
東洋経済ONLINEより
可処分所得とは、会社から支払われる年収から、所得税などの税金や社会保障料を差し引いて、児童手当を加えたもので、要は実際に使えるお金のこと。
その主な要因は、
・2014年の消費増税引上げ(5%⇒8%)
・社会保障料の引上げ
ということ。
これに児童手当の減額や住民税の年少扶養控除の廃止などの要因も重なって、実際に使えるお金の減少しています。
政府は、インフレターゲットの導入や民間企業の成長を加速させる、いわゆる”アベノミクス”で、労働者の賃金も上げるよう取り組みを進めているけれど、実は実際に生活費として使える額は減っているんですね。
使えるお金が減る理由②:実は物価は着実に上がっている
長期のデフレ経済で、物の値段が上がりづらい状況ですが、実は物価は着実に上がっています。
例えば「週刊少年ジャンプ」。2021年の値段270円なんですね。
自分が高校生だった20数年前は180円ぐらい。50%も値上がりしてるんです。
日本経済は、「失われた20年」「長期デフレ」とか言われて、バブル終焉の1990年代前半から経済が大きく低迷。
牛丼280円とかマクドナルド100円とか、そんなイメージもあってデフレは続いているイメージだけど、物や商品の値段ってしっかり上がっているんですよね。
いつの間にかガリガリ君も50円で買えないし、ジュースも自動販売機で110円じゃ買えない。
使えるお金が減る理由③:最近も日用品が値上がり傾向
ここ最近も値上げのニュースには、事欠きません。
例えばカルビーは、今年の5月下旬からポテトチップスの主力3ブランドについて、3%から6%の値上げを実施しました。
これまでも、内容量を減らす”ステルス値上げ”によって、実施的な値上げを進めていたけれども、物流費や原材料費の上昇により耐え切れなくなったんですね。
その他、コカ・コーラ等の清涼飲料水メーカーも、ペットボトル飲料の値上げを発表しています。
昨年のクロネコヤマトの物流費値上げ騒動の話や、人手不足による人件費の上昇、世界経済の成長による原材料費の上昇等々を踏まえれば、日銀が主張する2%のインフレは難しいとは思いますが、これらの費用を価格に転嫁していく環境は整いつつあります。
じゃあどうする?手取り減少の対策3つとは?
賃金はベースアップしないけど、物価や税金は上がる状況。
年々、生活は苦しくなって行きそうですが、どのような対策がとれるでしょうか?大まかなところで、
・現在勤めている会社で、しっかり働く。
・投資をする
・副業をする
の3つですね。クイックに見ていきます。
取り減少対策①:現在勤めている会社で、しっかり働く。
「えっ…、これが対策なの?」と思うかもですが、
賃金の上昇が1.1%というのはベースアップの話であって、定期昇給や係長、課長、部長等々の昇進による昇給じゃないんですね。
定期昇給は、そんなに大きくないけど、昇進すれば手取り収入は大幅に増えるはず。
特に若い社員なんて、投資に回せるお金も少ないのだから、配当金や値上がり益も微々たるものです。
そうであれば、投資に時間を費やすよりは、今の会社でしっかり働いて残業代を稼いだり、社内で評価されて昇進するのが確実な対策になります。
手取り減少対策②:投資をする
これは王道。結局、労働で得られる対価よりも、株などの投資から得られる対価の方が大きくなるんですね。
賃金の上昇より、長期的に見れば、株の上昇率や配当金の増配率が大きいことは確定的ですので、早いうちから株式投資を進めることが対策となります今は、Idecoや積立NISAなど、税制面で有利な制度を利用することができますよね。
銀行預金の利息は限りなくゼロに近いことを考えると株などへの投資を考えるべきでしょう。
さらに株価の値動きが気になるというのであれば、元金の値動きがなく年率4%〜7%程度を期待できるソーシャルレンディングなどの利用もおすすめですね。
昔に比べて、投資環境が整いつつありますので、まずは、このような制度をつかって積立投資から始めるのがお勧めです。
手取り現象対策③:副業をする
多くの民間企業も、会社員のスキルアップ等に資するということで、本業に支障が出ない範囲で認められています。
公務員ですら、最近NGO法人等への副業が認められていますよね。この傾向は、働き方改革の名のもと、今後続いていくと考えられます。
これまで、せどりやアフィリエイト、クラウドワークスからの受注等、本業に支障がでないような副業も増えてきています。
これらの仕事は、始めるにあたり初期投資が少なく済みますので、少しでも手取りを増やすべく、できるところから初めていく視点が大事です。
「会社員の手取り減少⁉︎消費増税どうする?」まとめ
今回は、デフレや消費増税で実質的に使えるお金が減っていく中、どのような対策をとるべきか、という観点で記事を作成しました。
若いうちは仕事を頑張る、スキルを上げるというのが将来的な手取りを上昇させる最も効率の良い方法ですね。短期的には残業代も入るでしょうし、将来的に昇進して給料の大幅上昇が期待できます。
他方、自分のように40代をすぎてくると仕事の頑張りが収入に反映されずらくなる人も多くなってくると思います。終身雇用や年功序列などの雇用慣行が崩れてきているためですね。