株や投資信託などに投資していると、よくリスクという言葉を聞きますが、これってどういう考え方なのかわかりづらいですよね。
そこで今回は投資信託などに投資するリスクの考え方や種類について解説していきます。
- 投資におけるリスクとは何かを解説
- 投資におけるリスクの考え方を説明
- 投資におけるリスクの種類を解説
よく”ファンドの期待年率リターンは5%”というのを見かけたことがあると思います。
この”期待”という言葉が実は曲者で、投資にはリスクがあるので確実に5%のリターンを得られるわけではないんですね。
他方、無リスク資産といえば銀行預金や個人国債などですかね。
だけど、リターンはせいぜい年率0.01%程度…ほとんど収益が得られないです。
日本が経済破綻ということはあるかもですけど、リスクが無いぶんリターンも限りなく低いという見方もできるわけです。
自分は投資信託を中心に1500万円以上の資産を運用しています。これらの経験を踏まえて記事を書きました。
投資信託で資産形成をする上で絶対知るべきポイントなので、ぜひ最後までご覧ください。
投資におけるリスクとは?
「リスク」は日本語に訳すと「危険」という意味ですが、投資おけるリスクとは投資によって得られる利益(又は損失)の振れ幅(値動きの幅、不確実性)のことを意味するんですね。
一例として、株式の収益がどれだけばらつくか見ていきましょうか。
実は絶好調の米国株式市場も、代表的株価指数S&P500の過去35年の年間の収益率をみると大きくバラついているんですね。
年によって30%を超えている年もあれば、マイナスになっている年もあるんです。
例えば、過去35年で最もパフォーマンスの良かった1995年は年率+34%ですが、リーマンショックのあった2008年は-38%になっています。35年のうちプラスだったのは27回、マイナスだったのが8回なんですね。
このように、年率収益率は一定になっていなくて、年によって違うのが分かると思います。
投資におけるリスクとリターンとは?
上記の米国株(S&P500)みたいに、投資におけるリスクやリターンをざっくり解説していきます。
①投資のリターンは収益または損失(利回り)
投資のリターンは、投資信託などに投資を行うことで得られる成果のことなんです。
もちろん投資ですから、収益が得られることもあれば、投資するタイミングによっては損失が出ることもあります。
投資信託の場合は、値上がり益(又は値下がり損)+分配金利回りを加えたものがトータルのリターンということになります。
ちなみに米国株式の10年間の平均リターンは約10%です。外国債券だと3〜5%程度です。
②投資のリスクはリターンのばらつき
リスクを直訳すれば「危険」ということですが、投資信託などの投資の世界においてはリスクとはリターン(収益又は利回り)のばらつきのことなんですね。
投資信託などへの投資にはリスクがあるというのは、「結果が不確実であること」を意味します。
例えば、
- 初期投資:100万円
- 年率利回り:5%
で運用した場合、リスクの水準によってリターンが大きくばらつきます。
リスク0%というのは不確実性が0ということですから、10年間5%複利で162万円きっちりと得られます。
1980年ごろの銀行預金はこれぐらいの利回りがあったんですね。リスクがほぼゼロできっちりと5%の利息をGetできたということ。
他方、リスクが高くなればなるほど、リターンのばらつきが大きくなることがわかります。
また、詳しい説明は割愛しますが、リスクが大きくなると期待リターンの平均値が減っていくということは覚えておいて良いと思います。
投資におけるリスクの考え方とは?
投資におけるリスクの考え方をまとめると、
- 投資のリスクとリターンは表裏一体
- 儲けたければリスクを取らなければならない
- リスクとリターンは相関する
ということです。それぞれクイックに見ていきます。
考え方①:投資のリスクとリターンは表裏一体
投資の世界では、リスクを取らなければリターン(収益)を得られない、表裏一体の関係があります。
金融商品を例に取ると、
- 株→ハイリスク・ハイリターン
- 国債→ローリスク・ローリターン
という傾向があります。
少し話がそれますが、パチンコや競馬などのギャンブルのようにハイリスク・ローリターンのものといのは、世間にあふれていますけど、ローリスク・ハイリターンのものは存在しないと言ってよいでしょう。
仮にそのようなうまい話が持ち込まれた場合は、”詐欺”である可能性が高いと考えた方が良いですね。
考え方②:儲けを増やしたければリスクを取らなければならない
この考え方も投資の鉄則ですね。
上記の図で説明すると、期待リターン5%(年率)で100万円を10年間運用した場合、
- リスク 0%の場合:162万円きっかり
- リスク10%の場合:105~225万円
- リスク20%の場合: 75~300万円
となります。
収益を2倍、3倍にしたいのであれば、
- FXのようなリスクの高い商品を短期売買
- 高いレバレッジをかける
とよりリスクをとっていく必要があります。当然、大きな損失を抱える可能性も高まることになります。
”虎穴に入らざれば虎子を得ず”ということですね。
考え方③:リスクとリターンの相関関係
ちょっと古いですが、以下の図は過去20年間のリスクとリターンをまとめると、投資する商品によって異なることが分かります。
ざっくりとした数値で言えば、
- 日本国債の場合:リスク 2% → リターン2.3%
- 米国国債の場合:リスク10% → リターン3.9%
- 世界株式の場合:リスク18% → リターン6%
となっています。
リスクが大きくなれば、リターンが大きくなってますね。通常、債券よりも株の方がリターンが大きいですが、リスクも高いということになります。
投資におけるリスクの種類とは?
具体的に、投資する際に考えられるリスクにはどんなものがあるか、主要なリスクを見ていきます。
投資におけるリスク①:相場変動リスク
国内および世界の政治・経済情勢、景気の動向、そして個別の企業の業績や需要等を反映して、日々の株価が変動するリスクです。
例えば、2020年3月のコロナショックの際には、1ヶ月で株式市場が30%程度も下落しました。株式で構成されている投資信託の基準価格は大きく低下しましたね。
投資におけるリスク②:金利変動リスク
金利の変動によって、債券価格が変動するリスクをいいます。
一般に市場金利が上昇すると債券価格が下落し、逆に市場金利が低下すると債券価格は上昇します。
コロナショックの際には、各国の中央銀行が金利を引き下げたこともあり外債で構成される投資信託の基準価格は上昇。
他方、2021年1〜4月ごろに景気回復期待から長期金利は上昇。債券価格は低下しましたね。
投資におけるリスク③:為替変動リスク
海外資産を組入れている投資信託の場合、為替相場の変動により、円換算での資産価値が変動するリスクをいいます。
通常の場合、円高になれば円換算での基準価格の下落要因になり、円安になれば基準価格の上昇要因になります。
投資におけるリスク④:信用リスク
債券や株式の発行体(国や企業)の財政難や経営不安等によって、配当金や分配金をあらかじめ設定された条件で支払われなくなるリスクのことです。
実際に、債券を発行する国が経済破綻したり、株式を発行する企業が破綻してしまうケースだけでなく、その可能性が高くなることで、債券価格や株価が下落するというのも信用リスクに含まれます。
投資におけるリスク⑤:カントリーリスク
投資対象となる国や地域で、政治・経済情勢の変化等により市場が混乱が生じた場合、または、取引に対して新たな規制が設けられた場合には、市場が想定以上に大きく変動するリスクのことですね。
「投資におけるリスクの考え方や種類とは?」まとめ
今回は、投資信託などへの投資におけるリスクの考え方や種類について、過去のS&P500の年率などを活用して説明してみました。
ザックリ言ってしまうと、「期待年率リターンは7%」という場合、これはあくまでも期待であって確定した収益ではないということですね。
なので、投資信託への投資にはリスクがあるから「運がよければ年間で6%ぐらいの収益になるかもだけど、12%ぐらいの損失を抱えることも十分ありえる」と考えるべきということです。
それでは。