SOXLは買い時か?利回りとリターンが魅力的!長期保有はありか?

SOXL(ディレクション・デイリー・セミコンダクター・ブル3Xシェアーズ)はICEセミコンダクターズ・イ ンデックスのの3倍(300%)の投資成果を目指す上場投資信託(ETF)です。

今回は、SOXLについて、平均リターンなどを踏まえて、投資はありか、長期保有はありか、過去のデータなどをズバッと分析していきます。

この記事でわかること
  • SOXLってどんなETFなのかわかる
  • SOXLの過去の株価推移やリターンがわかる
  • SOXLに投資する方法についてわかる
  • SOXLに投資するメリット・デメリットがわかる

記事で詳細にみていきますが、SOXLの特徴をまとめると、

  • 過去10年で株価が30倍になった驚異的なパフォーマンス
  • 半導体関連企業の業績に連動しない、業界独特のサイクル
  • ETFのなかでも1%という高い経費率

ということですね。

今回は、そんなSOXLに投資するメリットなど解説します。今後の米国株や米国ETFに投資する際の参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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上場投資信託(ETF):SOXLとは?

SOXL(ディレクション・デイリー・セミコンダクター・ブル3Xシェアーズ)は、ICEセミコンダクターズ・イ ンデックスの3倍(300%)の日次投資成果を目指すレバレッジETF(上場投資信託)です。

基本データ(2023年8月7日現在)

株価レンジ(52週) 6.21 - 28.75ドル
経費率 0.95%
分配金利回り 0.57%
1年リターン 13.89%
3年リターン 14.72%
5年リターン 18.77%
設定日 2010年11月03日
配当月 なし

半導体関連指数のレバレッジETFだけあって、52週の株価レンジ幅が大きいのが特徴的です。上下に大きく動くため、昨今の世界的な半導体不足の影響もあり、過去5年の平均リターンは83%弱となっています。

また、レバレッジETFのため、経費率が0.95%とほかのETFに比べかなり高いコストになっています。

株価の推移(チャート):5年

2020年2月のコロナショックの際は他の株式同様、21ドル前後あった株価が3月には4.2ドル前後まで急落しています。ただ、その後の回復は目覚ましいものがありますね。

直近5年の株価を見てもコロナショック急落時以外は、きれいに右肩上がりに上がっています。

一方、2022年に米国株が大きく下落したこともあり、SOXLの株価も急落しています。

SOXLの組入上位銘柄について

ではSOXLの組入上位銘柄を見ていきましょう。SOXLの場合、個別銘柄はNVIDIAを筆頭にBroadcomなどの半導体関連銘柄になっています。半導体関連銘柄にスワップ運用することで3倍のレバレッジをかけているのですね。

SOXLのセクター(業種)別の比率について

SOXLのセクター別の比率を見ていきます。SOXLの上位セクターのほとんどはテクノロジーセクターですね。

SOXLに投資するには?日本の投資信託でも可能?

SOXLに投資するには、外国ETFを扱っている証券会社に口座開設して取引することになります。

日本にはSOXLのように半導体関連銘柄にレバレッジをかけられる投資信託はありませんが、情報技術セクター銘柄を多く含む米国のNASDAQ100指数の2倍の投資効果を目指す投資信託があります。

詳しくは以下の記事で紹介しています。また、米国債券をレバレッジ運用して長期運用を目指す楽天米国レバレッジバランスファンドなどもあります。

SOXLは、マネックス証券、SBI証券、楽天証券などの主要ネット証券で取り扱っているので、米ドルでの取引となりますが、日本株を取引するのと同じ感覚で売買することができます。

レバレッジETFの特徴は?気を付ける点はなに?

それではSOXLのようなレバレッジETFにはどのような特徴や気を付ける点があるのか見ていきます。具体的な特徴は

レバレッジETFの特徴
  • 1%前後の高い経費率
  • 上がるときや急落時の値動きが大きい
  • 株価が横ばいや、ボックス相場では「減価」していく

やはり気になるのは長期保有を考えた時にネックとなる1%弱の経費率ですね。コストは長期になればなるほど影響してきます。また、レバレッジ運用は一定のレンジ幅で値動きする場合、株価が「減価(下落)」していく特徴があります。したがって、レバレッジ運用はどちらかと言えば、短期運用が前提となる投資手法です。

SOXLのリターンとパフォーマンスは?長期保有はあり?

以下は2010年の設定来のSOXLのチャートです。

レバレッジETFの特徴の値動きの荒さがよく分かりますね。特に2020年のコロナショック時は株価が80%も急落する動きを見せています。

2020年のコロナショック以降の値動きが特に激しいことが分かります。

直近10年のトータルリターンはS&P500が161%に対し、SOXLは2808%とケタが二つ多いですね。たった10年でなんと約30倍のパフォーマンスです。直近の世界的な半導体不足による特需で半導体関連銘柄の好調さを裏付ける数値になっています。

10年以上にわたって高いリターンをたたき出していることもあり、過去のデータを踏まえると長期保有は十分にありえると考えます。

SOXLは買いか?:メリット・デメリット

SOXLのデータや過去のパフォーマンスを見てきましたが、これらを踏まえてSOXLに投資する際の

  • 投資するメリット
  • 投資するデメリット

についてまとめていきましょう。

投資するメリット

SOXLのメリットをまとめると、

SOXLのメリット(まとめ)
  • S&P500指数を大きく上回るパフォーマンス(過去10年で約20倍)
  • 株価暴落時に非常に有用な投資先

ということですね。

SOXLの最大のメリットは、レバレッジ運用によるS&P500指数のパフォーマンスを二桁も突き抜けた圧倒的なパフォーマンスでしょう。S&P500への投資が最適解とされる中、信用取引枠ではなくレバレッジをかけられる商品は、資金の少ない個人投資家にとって非常に魅力的です。

S&P500と比較したチャートを載せておきますが、S&P500の動きが債券のように感じるほど、SOXLの値動きが激しいのがわかります

なお、Direxion Shares社の人気ETFということもあり、SBI証券、マネックス証券、楽天証券などの主要ネット証券から日本株を投資する感覚で投資することができます。

投資するデメリット

SOXLのデメリットをまとめると、

SOXLのデメリット(まとめ)
  • 1%弱の高い経費率(長期保有で不利となる)
  • もみ合い相場では「減価」してしまう
  • 値動きが大きく、長期保有に向かない

SOXLの一番のデメリットは、やはりボックス相場でもみ合ったときに下落幅が大きくなり必然的に「減価」してしまうことです。過去10年のリターンが圧倒的だったのは、米国市場が好調だったからにすぎません。

仮に今後、米国市場が頭打ちになり、ボックス相場にあたったときはマイナス方向にレバレッジが働くため、大きく下落する可能性があります。そのため、SOXLのようなレバレッジ商品は短期向け運用商品と言えます。

SOXLへの投資:個人的な感想

過去の運用リターンだけを見るとSOXLのようなレバレッジETFは非常に魅力的な商品です。ただ、レバレッジをかける商品は、もとに連動する指数が右肩上がりに動かなければ、大きく損をしてしまう特徴(減価してしまう)があります。

したがって、コロナショック時などに大きく株価が暴落した際に保有できれば、その後の値上がりによって大きく利益を出すことも可能です。

半導体業界特有の値動きを理解することが大切

一般的に、半導体関連株はシリコンサイクル(半導体業界で約4年ごとに起こる好不況サイクル)を1年以上先取りして動く特徴があります。したがって、半導体関連企業の業績が好調であっても、株価が下落する局面がよく見受けられます。

ただ、5Gや電気自動車の普及など、社会構造が変化することによって半導体業界の需給バランスが崩れ、シリコンサイクルの変化が起こるとの見方もあります。

SOXLの組み入れ銘柄のほとんどは半導体関連企業であり、さらにレバレッジをかけているため、必然的にリスクも大きくなります。もしSOXLへの投資を検討するのならば、半導体業界の特徴を理解しつつ、短期保有を前提としたスポット的に売買することをおすすめします。目先にリターンだけに囚われて損をしないように注意しましょう。

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まとめ:SOXLは買いか?

SOXL(ディレクション・デイリー・セミコンダクター・ブル3Xシェアーズ)について買いなのかどうか、ズバッと分析してきました。

記事の結論をまとめると、

こんな人におすすめ
  • 個人投資家など、少ない投資資金で大きく利益を出したい
  • 米国の半導体関連セクターに投資したい

ということです。過去のリターンだけを見れば、S&P500を大きく上回っているので、個人投資家にとって魅力的な商品かもしれません。ただ、ボックス相場では早めに損切りするなど、レバレッジをかけるという特徴をよく理解しつつ投資をしていくのがよさそうです。

それでは。

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