SDGsやESG投資という言葉をビジネスシーンで主によく耳にすることが多いではないでしょうか。
企業や投資家だけでなくメディアや世界的に取り上げられること多くなった言葉です。
そこで、今回は最近取り組んでいる企業が多いSDGsとは何か、ESD投資とどのような関係があるのか、わかりやすく解説していきます。
ESG投資とは?
ESG投資とは、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)にある課題の解決に投資をするということになります。
あくまでも投資なので、支援や寄付との違いは十分なリターンを求めることになります。
従来の投資は、企業が短期的な財務評価に固執するあまり、無理な事業展開による環境汚染や労働問題を引き起こし、結果、企業の経営にマイナスになってしまったというような過去がありました。
よってその反省を生かし、ESGの考えが普及しました。
ESG投資は企業の持続的な成長や中・長期的な収益につながるのも特徴です。
ESG投資の種類
1.サステナビリティ・テーマ投資
日本で最初に用いられたESG投資です。”社会や環境に関してのテーマを設定しそれに関連する企業が対象”の手法です。
再生可能エネルギー投資ファンドやエコファンドがあります。
2.ネガティブ・スクリーニング
”罪ある株式”と呼ばれている業界の株式や債券を投資の対象から除外する手法です。
例:動物実験、武器、原子力発電、タバコ、ギャンブルなど
3.国際規範スクリーニンング
児童労働や強制労働、経済成長、国際連合が定める環境ルールに違反するような、国際的な規範の最低限の基準に達していない企業を投資の対象から排除する手法です。
4.ポジティブ・スクリーニング
ESGに優れた銘柄のみを選抜して投資する手法であり、ネガティブ・スクリーニングや国際規範スクリーニングと真逆の手法です。
ESGの項目において評価が高いものが選抜されます。
5.インパクト・コミュニティ投資
社会と環境の面でインパクトを重視した投資の手法です。
この手法には、社会や環境へのインパクトを重視し、財務パフォーマンスを犠牲にするものと社会や環境へのインパクトと、財務パフォーマンス両方を追求するタイプの2つがあります。
6.ESGインテグレーション
財務情報だけでなく、非財務のESG情報の観点で銘柄評価の中から投資先を判断します。非財務情報の中でどの項目を重視するかはそれぞれの投資家の判断に委ねられます。
ESG投資の中でも最も注目されている手法です。
7.エンゲージメント
株主総会で株主の権利を行使し、投資先企業や投資を検討している企業に株主の立場からアクションを働きかけることです。
国内企業でESGの取り組みをしている例
ESGに取り組んだ代表的な国内企業
- TOTO
- 森永生業
- EWON
- リクルートホールディングス
- 清水建設
高節水機能の製品開発や、農家の技術指導、管理職の評価に”労働環境改善”の目標設定、地域企業の事業承継者のマッチングなどそれぞれの企業でできる様々な形でESGを取り入れ、経営戦略を行っています。
なお、ESGに積極的に取り組んでいる企業にマルっと投資できる投資信託もあります。
SDGsとは何か?
2015年の国連サミットで掲げられた。『持続可能な開発目標』です。環境問題、差別、貧困、気候変動、人権問題といった世界中にある問題を2030年までにみんなで解決していこうという計画・目標のことを言います。
発展途上、先進国関係なく世界の様々な問題を根本的に解決して全ての人にとってより良い世界を作るために設定されているものです。
SDGsでは、以下の17の目標が掲げられています。
1.貧困をなくそう | あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ |
2.飢餓をゼロに | 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する |
3.すべての人に健康と福祉を | あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する |
4.質の高い教育をみんなに | すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する |
5.ジェンダー平等を実現しよう | ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る |
6.安全な水とトイレを世界中に | すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する |
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに | すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する |
8.働きがいも経済成長も | すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する |
9.産業と技術革新の基盤をつくろう | 靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る |
10.人や国の不平等をなくそう | 国内および国家間の格差を是正する
|
11.住み続けられるまちづくりを | 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする |
12.つくる責任 つかう責任 | 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
|
13.気候変動に具体的な対策を | 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る |
14.海の豊かさを守ろう | 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する |
15.陸の豊かさも守ろう | 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る |
16.平和と公正をすべての人に | 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する |
17.パートナーシップで目標を達成しよう | 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する |
以上のことは、日常的に私たちも取り組めることです。
例えば、節水、マイバックを持つ、使わなくなくなったものは寄付する、環境に配慮した製品を使う、地元の食材を購入するなど今すぐできることばかりです。
一人一人の意識が大切になります。
ESG投資とSDGsの違いとは?
そもそも、SDGsが必要とされた背景には、ESG投資の推進や、社会問題の認識が高まったことにあります。企業がSDGsに取り組むことは、世界の目標に貢献するだけでなく企業の価値を高めることにもつながり大変良いことです。
ESGは、”企業が経営する上で重視される要素”であり、SDGsは”国や企業が持続可能な世界を実現するという目標”ということになります。
社会的な課題が投資家にとっての投資機会(ESG投資)であり企業にとってはビジネスの機会(SDGs)をもたらします。ESGとSDGsはその点では共通の考え方を持ちます。
「ESGとSDGsの違いとは?」まとめ
ESGとSDGsは意味合いとしては同じであり、企業が経営を勧める時にセットで取り組んでいることが多いです。
企業としてはSDG、SDGsなどの観点から自社の市場を見つめ直すきっかけになることで新しいビジネスチャンスに気づくきっかけなったり信頼性を印象つけるブランディングが可能になったります。投資家からの評価も高まり資金ん調達が有利になることや、自社の取り組みに社会的な意義を感じさせ社員のモチベーションにもつながります。
投資家としてもESGの観点から投資先を決定する手法(ESG投資)で間接的にSDGsへの貢献が可能です。
以上の背景があるのでSDGsの取り組みが企業ではますます重要なものになっています。
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